ピアノ伴奏なしで演奏するフルートソロ曲のまとめページです。
- 現代音楽っぽいのは苦手
- 無調音楽や変拍子は苦手
- 特殊奏法が無い曲がいい
- わかりやすい曲をたくさん知りたい
- ソロコンに出たいけど伴奏者がいない
その悩み・・・すごくわかります!
無伴奏=よくわからん現代音楽ばかりだと思っている皆さん、探せば吹きやすい曲がたくさんあるのです。
無伴奏のフルート作品を演奏してみたい方は、ぜひ選曲にお役立てください。
作曲年が新しくなるにつれて多少の変拍子や臨時記号の多い作品は増えていきますが、なるべく演奏しやすいものを選んで紹介します。
1700年代
作曲年が古い順に並べていきます。
はじめにバッハやテレマンが活躍した18世紀(1700-1799)の作品を紹介します。
スペインのフォリア/マレ
- 作曲年 1701年
- 作曲者生国 ドイツ
バッハ作曲の無伴奏フルート作品のうち最高傑作とも言われる楽曲。世界各国の舞曲をモチーフとした全4楽章の作品です。
無伴奏フルートのためのパルティータBWV1013/J.S.バッハ
- 作曲年 1720年代はじめ
- 作曲者生国 ドイツ
バッハ作曲の無伴奏フルート作品のうち最高傑作とも言われる楽曲。世界各国の舞曲をモチーフとした全4楽章の作品です。
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004より「シャコンヌ」/J.S.バッハ
- 作曲年 1720年
- 作曲者生国 ドイツ
全5曲からなるパルティータ第2番BWV1004ですが、終曲のシャコンヌが非常に有名で、単独で演奏されることもしばしばあります。
原曲はヴァイオリンソロですが、フルート用編曲も出版されています。
無伴奏チェロ組曲/J.S.バッハ
- 作曲年 1720年頃
- 作曲者生国 ドイツ
無伴奏チェロ組曲は6曲で一つの組曲になっており、さらに第1番から第6番までの組曲があります。
原曲はチェロによるソロですが、フルート用編曲も出版されています。
フルートソナタ イ短調/C.P.E.バッハ
- 作曲年 1747年
- 作曲者生国 ドイツ
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-1788)は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)の息子です。
J.S.バッハ「パルティータBWV1013」、テレマン「12の幻想曲」と並んで無伴奏フルートの三大名曲とも言われる作品。
無伴奏フルートのための12のファンタジーTWV40:2-13/テレマン
- 作曲年 1727年頃
- 作曲者生国 ドイツ
3-5分程度の様々な形式の12曲からなる作品。コンサートでは全曲が演奏されることもありますが、数曲を抜粋で演奏することもあります。
カプリッチョ・ソナタ イ長調/A.シュターミッツ
- 作曲年 不明(古典派)
- 作曲者生国 ドイツ
作曲者のアントン・シュターミッツ(1750-1806)はモーツァルトと同世代の作曲家。
難易度は初級~中級程度。シンプルなメロディーなので、トリルや装飾音符を交えて演奏すると華やかになります。
ロンド・カプリチオーソ ト長調/A.シュターミッツ
- 作曲年 不明(古典派)
- 作曲者生国 ドイツ
ロンド・カプリチオ―ソ ト長調は『フルートのための8つのカプリス』の3番目の曲にあたります。
6/8拍子に乗せた軽やかで上品な作品です。難易度は初級~中級程度。
1800年代
19世紀(1800-1899)の無伴奏フルートソロ作品を紹介します。
3つの幻想曲Op.38 ニ長調/クーラウ
- 作曲年 1820年頃
- 作曲者生国 ドイツ
宮廷音楽家として活動していたクーラウの曲。クーラウは同時代に活躍していたベートーヴェンに作風が似ていたことから“フルートのベートーヴェン”と呼ばれています。
8つのサロン・エチュード/ドンジョン
- 作曲年 1890年頃
- 作曲者生国 フランス
エチュード(練習曲)とタイトルに付いていますが、練習用というよりフルート独奏用の小品として広く親しまれている楽曲。全部で8曲ありますが、その中でも抜粋で特によく演奏されるのは第1曲「エレジー」と第3曲「風の歌」です。
1900年代
20世紀(1900-1999)の無伴奏フルートソロ作品を紹介します。
シランクス/ドビュッシー
- 作曲年 1913年
- 作曲者生国 フランス
シランクスは舞台劇の中の一曲として作曲されました。儚くも美しい、ミステリアスな魅力を持った名曲。コンサートのレパートリーやアンコールピースとして広く親しまれています。
ソナタ「アパッショナータ」/カルク=エラート
- 作曲年 1917年
- 作曲者生国 ドイツ
イタリア語“アパッショナータ”とは「情熱的」という意味です。ソナタと言うと3楽章構成の場合が多いですが、この曲は単一楽章です。「アパッショナータ」のタイトル通り、緩急の起伏が激しく吹き応えのある作品です。
牝山羊の踊り/オネゲル
- 作曲年 1921年
- 作曲者生国 フランス
牝山羊の踊りは3分程度の短い小品ですが、コンサートのレパートリーとして広く親しまれています。
コンクールやオーディションの課題曲としても用いられることがある楽曲です。
3つの小品/フェルー
- 作曲年 1921年頃
- 作曲者生国 フランス
五音音階を用いた東洋風(中華風)の曲調が人気です。コンサートからコンクール等の課題曲まで幅広く演奏されています。難易度は中上級程度。
フルート独奏のための8つの小品/ヒンデミット
- 作曲年 1927年
- 作曲者生国 ドイツ
ヴィオラ奏者・指揮者としても活躍したヒンデミットの小品。1分程度の短い曲の集まりなので、全曲続けて演奏されます。
無伴奏フルートのための小品/イベール
- 作曲年 1936年
- 作曲者生国 フランス
フルート協奏曲でもおなじみのイベールによる小品。この小品は5分程度の短い作品。掴みどころのないミステリアスな雰囲気のある美しい小品です。
無伴奏フルートのための3つの前奏曲Op.18/ムチンスキー
- 作曲年 1963年
- 作曲者生国 アメリカ
急・緩・急の全3曲からなる前奏曲。全曲演奏しても4分程度と短い作品です。難易度的には中上級者向け。
無伴奏フルートのための幻想曲Op.89/アーノルド
- 作曲年 1966年
- 作曲者生国 イギリス
1966年のバーミンガム国際木管楽器コンクールのために作曲されました。5分あまりの短い曲の中に様々な高等テクニックが詰まっており、課題曲にふさわしい内容と言えます。上級者向けの作品です。
タンゴ・エチュード/ピアソラ
- 作曲者生国 アルゼンチン
ピアソラ(1921-1992)はアルゼンチン出身の作曲家でありバンドネオン奏者。
タンゴ・エチュードは、その名の通りタンゴを用いたリズミカルな練習曲です。エチュード(練習曲)とは言え、練習のためだけに演奏するのはもったいないような魅力のある作品です。
Short Stories/ショッカー
- 作曲年 1997年
- 作曲者生国 アメリカ
ショッカーは今もなお活躍中の作曲家です。現代音楽と聞くと「え?なんだか難しそう」と避けてしまいがちですが、ショッカーの音楽は変拍子や特殊奏法を用いた奇抜なものではなく、聞きやすいキャッチーな曲が多いので人気があります。
Short Storiesは1分程度の短い曲が7曲入った作品。それぞれ違った雰囲気の曲なので聞いていて飽きません。
下記の緑色のボタンはプレイリストにリンクしているのでShort Stories全曲を視聴できます。
楽譜はセオドア・プレッサー社から出版されています。
\ショッカー本人の演奏が聴けます/
2000年以降
21世紀(2000-)の無伴奏フルートソロ作品を紹介します。
Blip Blip Blip/ショッカー
- 作曲年 2001年
- 作曲者生国 アメリカ
「Blip」とは“ピッ”という電子音のこと。第3楽章では忘れた頃にピッ!という高音が唐突に現れます。あまり演奏されることのない曲ですが、全楽章とも耳なじみの良いメロディーなので聞いてみてください。
『木版画』日本の木版画の印象による無伴奏フルートのための13の小品/ショッカー
- 作曲年 2022年?
- 作曲者生国 アメリカ
葛飾北斎の絵からインスピレーションを受けて作曲された曲。日本の音階を用いた和風な音楽です。
楽譜はセオドア・プレッサー社より出版されています。
\ショッカー本人の演奏が聴けます/