フランスの作曲家・フェルーの作品。
五音音階を用いた東洋風(中華風)の曲調が人気です。
コンサートでもよく演奏され、コンクールやオーディションの課題としてもしばしば取り上げられる楽曲。難易度は中級~中上級です。
目次
楽曲解説
日本語タイトル | 3つの小品 |
原語タイトル | 3Pieces(Trois Pièces pour flûte seule) |
作曲者 | P.O.フェルー |
作曲年 | 1921年頃 |
- 1.恋する羊飼い(Bergère captive)
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曲の冒頭に“Plaintif”(憂いに満ちた)と表記があります。
神秘的な雰囲気がフルートにぴったりです。 - 2.硬玉(Jade)
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硬玉とは翡翠(ヒスイ)の古い呼び方です。
翡翠は薄緑色の宝石。縁起の良い石とされ古来から魔除けや宝飾品として珍重されてきました。中国においては権力の象徴でもあったようです。第1曲とは打って変わって、付点のリズムに乗せた中華風の音楽です。
- 3.端陽(Toan-Yan: La fête du double cinq)
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端陽は旧暦5月5日に行う行事のこと。日本で言う端午の節句です。
中国の端陽節は、中国戦国時代の楚の政治家・屈原の供養祭から始まったとされています(屈原は、国のために王を説得したものの聞き入れられず将来に絶望して命を絶った人物)祭りの笛を模したメロディーが印象的な第3曲です。
おすすめ楽譜
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