無伴奏のフルート・ソロ曲を紹介します。
「J.S.バッハ/無伴奏フルートのためのパルティータBWV1013」は、フルートソロ曲において最高傑作とも言える作品です。無伴奏フルート3大名曲のひとつとも言われています。
- J.S.バッハ/パルティータ BWV1013
- C.P.E.バッハ/ソナタ イ短調 Wq132
- G.Ph.テレマン/12のファンタジー
コンサートのレパートリーとしても演奏される他、ソロコンクールの課題曲やプロオケのオーディション課題曲にも選ばれています。
楽曲解説
日本語タイトル | 無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013 |
原語タイトル | Flute Partita in A minor BWV 1013(Partita a-moll for flute solo) |
作曲者 | J.S.バッハ |
作曲年 | 18世紀 |
- 第1曲:Allemande/アルマンド
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ドイツ風舞曲。
はじめから終わりまで全て16分音符で書かれています。 - 第2曲:Corrente/コレンテ(クーラント)
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イタリア風舞曲。3拍子で早めのテンポであることが特徴です。
イタリアでは「コレンテ」、フランスでは「クーラント」と呼ばれ、どちらの国でも“流れるような”という意味がありますが、バッハのBWV1013においてはイタリア風舞曲を指していると考えられます。 - 第3曲:Sarabande/サラバンド
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ゆったりとした重々しい3拍子が特徴の舞曲。
16世紀はじめにスペインで流行したものがフランスやイギリスの宮廷に伝わり、ヨーロッパで流行したようです。 - 第4曲:Bourrée Angloise/ブーレ・アングレーズ
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イギリス風舞曲。
Angloiseとは「イギリス風」という意味。足技を披露するためのテンポの速い舞曲です。
上記の全4曲からなる組曲です。
楽譜の情報
非常に有名な曲なので色々な楽譜が出版されています。
出版が多すぎて選べない方のために、おすすめを2種類ご紹介します。
音楽之友社「無伴奏フルート名曲集」
フルートのための無伴奏作品を31曲収めた曲集の中に収載されています。
原典版に近い内容(強弱やブレスは書いていない)となっており、国内出版の楽譜は入手しやすいのでおすすめです。
リーズナブルな国内版
目次を見る(タップで開く)
- エコー/オトテール
- 幻想曲第1番 TWV40:2 (『12の幻想曲』より)/テレマン
- 幻想曲第6番 TWV40:7 (『12の幻想曲』より)/テレマン
- 幻想曲第7番 TWV40:8 (『12の幻想曲』より)/テレマン
- パルティータ BWV1013/J.S.バッハ
- カプリチオ QV3:1.13/クヴァンツ
- ロンドーによるジグ/ブラヴェ
- ヴィヴァルディの春/ルソー
- ソナタ イ短調Wq132/H562/C.P.E.バッハ
- モーツァルトの歌劇『ドン・ジョバンニ』より「奥様お手をどうぞ」の主題による変奏曲/メルカダンテ
- 幻想曲第1番 op.38-1 (『3つの幻想曲』より)/クーラウ
- ブラーニーの木立/リンジー
- 風の歌 (『8つのサロン風エチュード』より)/ドンジョン
- エチュード第3番 op.15-3 (『24のエチュード』より)/アンデルセン
- パンの笛 (シランクス)/ドビュッシー
- パルティータ op.51/ラウバー
- 「誤謬」と「軽率」が矢を乱れ打ち… op.198-7 (『ネクテールの歌 第1集:アナトール・フランスの「天使の反逆」による32の小品』より)/ケクラン
- 勝者の笑い op.198-8 (『ネクテールの歌 第1集:アナトール・フランスの「天使の反逆」による32の小品』より)/ケクラン
- 星夜への哲学者の讃歌 op.200-17 (『ネクテールの歌 第3集:守護神への祈り、行列と踊りによる32の小品』より)/ケクラン
- アレグレット (アダム・エーレンシュレーゲルの戯曲『アラジンまたは魔法のランプ』のための音楽 op.34/FS89/CNW17 より)/ニールセン
- 子どもたちが遊んでいる (ヘルゲ・ローデの戯曲『母』のための音楽 op.41/FS94/CNW18 より)/ニールセン
- シャコンヌ (『30のカプーリス:無伴奏フルートのための現代的奏法による「パルナッソス山への階程」 op.107 より』)/カルク=エラート
- ソナタ・アパッショナータ 嬰ヘ短調 op.140/カルク=エラート
- ダイアフォニック組曲第1番/クロフォード=シーガー
- 密度21.5/ヴァレーズ
- 牝山羊の踊り H39/オネゲル
- 8つの小品/ヒンデミット
- 3つの小品/フェルー
- パッサカリア/ドホナーニ
- セクエンツァ (1958年版)/ベリオ
- 冥/福島和夫
輸入版(海外の出版)
輸入版を使いたい本格派には、ヘンレ版かベーレンライター版がおすすめです。
どちらも原典版(作曲当時の楽譜に近い内容)です。
(ベーレンライターな楽譜は紙の横幅が大きくカバンに入りづらいので、ヘンレ版の方が持ち運びに便利です)
ヘンレ版はこちら
参考演奏
エマニュエル・パユの演奏がYoutubeで聴けます。
上記の動画に全4曲が収録されています。