【初級から上級】フルート用エチュードまとめ/難易度順に並べました

「フルートを始めたけれど、何を練習したらいいかわからない」
「周りの人たちはどんな練習をしているの?」という悩みは、フルートあるあるです。

  • 音階の反復練習は退屈。曲で練習したい!
  • 色々な雰囲気の曲をやってみたい
  • 曲を通して表現力を身につけたい

そう思っているのであれば、エチュード(練習曲)をやってみましょう。
曲を通して基礎技術と表現力を身につけられます。

初心者でも取り組みやすい簡単な練習曲集から、上級向けの難しい曲集まで、定番の練習曲を紹介します。

ちょっとだけ用語の解説

エチュードとは?

練習曲のことを別名エチュードと言います。
フランス語のétudeは「勉強、練習」の意味。英語のstudyです。

Opとは?

Opは「オーパス」と読みます。ラテン語のopusを略したもので、「作品番号」という意味です。

目次

難易度順に並べてみる

簡単なものから順に並べるとこんな感じです。

初級のうちで最も多いのはアルテ等の教則本で勉強しつつ、ガリボルディのOp.131からケーラーOp.33-1に進むパターンです。
作曲者によって作風が違うので、かたく考えずに自分に合う難易度の中から好きな本を選ぶと良いのではないかと思います。

山ほどあるフルート用エチュードの中から、人気のある16種類を解説します。

入門用(一番やさしい)

フルートを始めて1ヵ月程度でも取り組める、やさしい練習曲を紹介します。

ガリボルディ/58の初級練習

日本語タイトル58の初級練習
原語タイトル58 FIRST EXERCISES 
著者ジュゼッペ・ガリボルディ
難易度入門・初心者

ドレミファソラシドを覚えたばかりの段階でも取り組めるとても易しいエチュード。
童謡よりもっと簡単な練習からスタートして、段々レベルアップしていきます。
ミニヨンエチュードOp.131が難しいと感じるなら、この練習曲集がおすすめです。

\58の初級練習/

初級エチュード

一通りの運指を覚えて、調号(♭#)3つくらいのスケールができるようになった頃に取り組むエチュードを紹介します。

ガリボルディ/ミニヨンエチュード Op.131

日本語タイトルミニヨンエチュードOp.131
原語タイトルEtudes mignonnes op. 131
著者ジュゼッペ・ガリボルディ
難易度初心者

全20曲、どれも1分半~2分で吹ける短い曲です。
調号(♭#)は0~3個で読みやすく、音域も狭いので初心者でも無理なく取り組めます。

難易度は低めですが、様々な曲調が用意されているので飽きずに20曲吹けます。

\ミニヨンエチュードop.131/

M.モイーズ/24の旋律的小練習曲と変奏(初級)

日本語タイトル24の旋律的小練習曲と変奏(初級)
原語タイトル24 Petites Etudes melodiques avec variations
著者マルセル・モイーズ
難易度初級~中級
サンプルページ(クリックで拡大)

サンプル画像は、この曲集の課題No.1-No.2のページです。

30秒~1分程度の短いテーマと、テーマを使った変奏曲で成り立つ練習曲集です。

表現力・強弱・リズム・フレーズの考え方が身に付く一冊としてレッスンでもよく用いられています。
レッスンの他、ウォーミングアップや調子が出ない時の練習に使う方も多いです。

\24の旋律的小練習曲と変奏/

初中級エチュード

初級と中級の間くらいのレベルで取り組むエチュードを紹介します。

ケーラー/35の練習曲 Op.33 第1巻

日本語タイトル35の練習曲 作品33 第1巻(15の易しい練習曲)
原語タイトルDer Fortschriff im Flotenspiel op. 33-1(15 leichte Ubungenstucke)
著者エルネスト・ケーラー
難易度初中級

ガリボルディのミニヨンエチュードが終わったらケーラーOp.33第1巻に進むのはよくあるパターンです。

ケーラーの練習曲は機械的でなく、親しみやすい曲ばかりです。
曲調も様々なので飽きずに練習できます。

\35の練習曲 Op.33 第1巻/

アンデルセン/18の練習曲 Op.41

日本語タイトル18の練習曲 Op.41
原語タイトル18 Studies op. 41(もしくは18 Petites Etudes OP.41)
著者カール・ヨアヒム・アンデルセン
難易度初中級
第1番のページ

この作品は、デンマーク出身のフルーティストであるC.J.アンデルセンによる初級の練習曲です。

調号(シャープ・フラットの数)は0~4つまで、長調・短調合わせて18曲です。

ケーラーOp.33-1と同等の難易度ですが、アンデルセンの方が「指の練習」要素が強いです。
曲っぽいエチュードが好みであればケーラーをおすすめします。

\18の練習曲 Op.41/

ガリボルディ/20の旋律的練習曲Op.88

日本語タイトル20の旋律的練習曲Op.88
原語タイトル20 Etudes Chantantes Op.88
著者ジュゼッペ・ガリボルディ
難易度初中級

美しいメロディーで表情豊かに歌うための練習曲。表現力を磨くのにぴったりなエチュードです。

調性はシャープ4つ・フラット5つまでの長調と短調で書かれています。

\20の旋律的練習曲Op.88/

中級エチュード

中級レベルのエチュードを紹介します。
このあたりから段々レベル上がってきますよ~

ベルビギエ/18の練習曲

日本語タイトル18の練習曲
原語タイトル18 EXERCISES OR ETUDES FOR FLUTE
著者ベルビギエ
難易度中級

このエチュードはフルートのために書かれましたが、サックス奏者「マルセル・ミュール」によってサックス用に編曲されたものが広く使われています。
そのためYoutubeなどでこのエチュードを検索するとサックスの演奏がたくさん出てきます。

\ベルビギエ 18の練習曲/

ケーラー/25のロマンティックエチュードOp.66

日本語タイトル25のロマンティックエチュードOp.66
原語タイトル25 ROMANTISCHE ETUDEN Op.66
著者エルネスト・ケーラー
難易度中級

様々な曲調のエチュードが25曲収載されています。
このエチュードは「ただの指の練習」という感じではなく、メロディーを感じられるエチュード。
テクニックに加えて表現力も磨きたい方にはぴったりです。

\25のロマンティックエチュードOp.66/

アンデルセン/24の練習曲Op.21

日本語タイトル24の練習曲Op.21
原語タイトルTwenty-Four Studies,Op.21
著者カール・ヨアヒム・アンデルセン
難易度中級

様々な雰囲気で全調の課題が書かれています。
この本は取り組む人が多く、フルート吹きにとってスタンダードなエチュードです。

\24の練習曲Op.21/

ピアソラ/タンゴ・エチュード

日本語タイトルタンゴ・エチュード
原語タイトルSix Etudes Tanguistiques
著者アストル・ピアソラ
難易度中級

クラシックに飽きたら、ピアソラに寄り道するのもおすすめです!

タンゴ・エチュードは、その名の通りタンゴを用いたリズミカルな練習曲です。(スローな曲も入っています)
民族風な音楽がお好きな方は取り組んでみると良いでしょう。

\タンゴ・エチュード/

ケーラー/35の練習曲Op.33 第2巻

日本語タイトル35の練習曲Op.33 第2巻(12の中級のための練習曲)
原語タイトルDer Fortschriff im Flotenspiel op. 33, 2(12 mittelschwere ubungsstucke)
著者エルネスト・ケーラー
難易度中級
レベル別・全3巻
  • 第1巻/15のやさしい練習曲
  • 第2巻/12の中級のための練習曲
  • 第3巻/8つの難しい練習曲

難易度別で3巻に分けて出版されているケーラーのエチュード作品33のうち、第2巻が中級向けです。

調号は#4つまで、♭2つまで。
音域は第1巻と同程度ですが、各課題の演奏時間が1巻よりも長くなっています。

\35の練習曲Op.33 第2巻/

中上級エチュード

中級と上級の間、中上級レベルのエチュードを紹介します。

フュルステナウ/音の花束

日本語タイトル音の花束 24の練習曲Op.125
原語タイトルBouquet de Tons/24 Etuden Op.125
著者フュルステナウ(Furstenau)
難易度中上級

音の花束は世界中で愛用される曲集。
24調、全24曲。テクニカルですが豊かな音楽性を感じられるエチュードです。

\音の花束/

カルク=エラート/30の奇想練習曲Op.107

日本語タイトル30の奇想練習曲Op.107(30のカプリス)
原語タイトル30 CAPRICES,OP.107
著者カルク=エラート
難易度中上級

カルク=エラートは、バルトークやエネスコと同じ時代に活躍したドイツの作曲家。
フルート奏者にとってはソナタ「アパッショナータ」でおなじみです。
このカプリスではNo.30の課題「シャコンヌ」が特に有名です。

\30の奇想練習曲Op.107/

アンデルセン/24の練習曲Op.15

日本語タイトル24の練習曲Op.15
原語タイトル24 ETUDES,Op.15
著者カール・ヨアヒム・アンデルセン
難易度中上級

指が忙しいエチュードを書く件で定評のあるアンデルセンの上級向けエチュード。忍耐力が試されます。

特にNo.3が有名で、コンサートで演奏されることもあります。

\24の練習曲Op.15/

上級エチュード

上級レベルのエチュードを紹介します。

ベーム/24のカプリスOp.26

日本語タイトル24のカプリス(奇想練習曲)Op.26
原語タイトル24 CAPRICES,Op.26
著者テオバルト・ベーム
難易度上級

現代のフルートを発明したテオバルト・ベーム作曲のエチュードです。
低音域が中心の内容になっています。

\24のカプリスOp.26/

ケーラー/Op.33 第3巻(8つの難しい練習曲)

日本語タイトル35の練習曲 Op.33 第3巻(8つの難しい練習曲)
原語タイトルDer Fortschriff im Flotenspiel op. 33-3(8 schwere ubungsstucke)
著者エルネスト・ケーラー
難易度上級

初級・中級・上級の3巻に分かれて出版されているケーラーのエチュード。
第3巻は上級向けの8曲が収載されています。
ベームのエチュードよりも音域が広く、幅の広い跳躍が多いです。

\35の練習曲op.33-3/

アンデルセン/24の大練習曲Op.60

日本語タイトル24の大練習曲Op.60
原語タイトル24Grand Studies,Op.60(あるいは24 Etudes de Virtuosite Op.60)
著者カール・ヨアヒム・アンデルセン
難易度上級

ケーラーによる最上級の難易度のエチュード。
アルテ3巻を修了し、十分なテクニックを身につけた方向けの内容です。
IMCのスコアには「Virtuosity Studies」と書かれています。(Virtuosityは、高度な技術・名人芸という意味です)


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