中上級者向けのフルート用エチュードを紹介します。
フュステナウ(1792年10月20日-1852年11月18日)はドイツ出身のフルート奏者であり作曲家です。
フュルステナウ/音の花束 25の練習曲Op.125
日本語タイトル | 音の花束/24の練習曲Op.125 |
原語タイトル | Bouquet de Tons/24 Exercises, Caprices and Preludes Op. 125 |
著者 | アントン・ベルンハルト・フュルステナウ(Anton Bernhard Fürstenau) |
難易度 | 中上級 |
フュルステナウ(1792-1852)は、ロッシーニ(1792-1868)と同じ時代に活躍していたロマン派のフルート奏者です。
音の花束は世界中で愛用される曲集。
24調、全24曲。テクニカルですが豊かな音楽性を感じられるエチュードです。
著者のフュルステナウがH足部管を使用していたこともあり、このエチュードには低音のHがたくさん出てきます。(ざっと数えて10~15箇所ありました)
出版による違い
「音の花束」の楽譜を2種類ご紹介します。
モイーズによる改訂版
作曲当時のフルートは現在のフルートと構造が違います。
そのため、現在のフルートでも演奏しやすいように低音Hを1オクターブ上げて編曲されているのがマルセル・モイーズによる1952年改訂版です。
こちらはフランスのルデュック社から出版されています。
モイーズ版はこちら
原典版のおすすめ
フュルステナウの意図を忠実に再現した“原典版”をお探しなら音楽之友社がおすすめです。
音楽之友社の楽譜は、初版の複製であるルモワンヌ社の楽譜をもとに作られています。
作曲当時と現代のフルートでは楽器の構造が違い、演奏が困難な場所もありますが、そういった部分にはOssia(もしくは、の意味)が書かれています。
原典版のイチオシ
エチュードでありながら、音楽性豊かな名曲集としても愛奏されるA.B.フュルステナウ『Bouquet de Tons(ブーケ・デ・トン)/音の花束』の原典版。24調で構成された全24曲からなる本作は現在ではマルセル・モイーズによる1952年の改訂版により広く知られているが、本版は1839年の初版譜Schlesinger版の複製版であるHenry Lemoine版を底本とした。作品本来の意図を明らかにすることで、本作の作曲当時における斬新な意図が明らかになると同時に、モイーズ版の変更箇所との比較により、20世紀中葉の演奏様式の特徴をも浮き彫りにすることができる。
現代のモダンフルートのH足部管とは異なるフュルステナウの時代の低音Hの使用など、作品理解に欠かせない基礎的な事項の解説(有田正広氏)も必読。また、現代楽器で演奏困難な箇所に関しては、現代楽器用のOssiaを付した。
音楽之友社HPより引用
モダン楽器、ピリオド楽器の区別なく、すべてのフルート奏者の福音となる一冊。
参考演奏
flute yoshizonoさんの演奏がYoutubeで聴けます。
上記の動画は第1番のみです。全曲聴いてみたい方はflute yoshizonoさんのチャンネルを見てみてください。
他にもエチュードは色々
フルートの有名な練習曲集15冊を難易度別にまとめたページはこちらです。
初級~上級まで紹介しているので参考になさってください。