【中級-中上級】フルートソロ曲まとめ/演奏時間つき・ソロコン選曲のヒント

フルートでソロコンクールに出てみたい学生の皆さん!
選曲で迷っていませんか?

この記事では、中学生・高校生のソロコンでよく演奏されるフルートソロの曲を紹介します。

  • 聴きごたえあるけど演奏しやすい曲
  • 難しいけど挑戦しがいのある曲

それぞれ分けて紹介します。
演奏時間や楽譜の購入方法についてもまとめたので、選曲で悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね。

この記事ではフルートソロ+ピアノ伴奏の楽曲を紹介します。

目次

チャレンジしやすい10曲

中級~中上級レベルの10曲を紹介します。
吹き応えあるけど超絶技巧というほどでもない、落ち着いてチャレンジできる曲を集めました。

どの曲もソロコンの中学・高校部門でよく見かける曲です。
ピアノ伴奏も超絶技巧というほどではないので、音楽の先生やピアノが得意なお友達に頼みやすいと思います。

ピアノ伴奏つきの曲を選ぶ時は、伴奏を弾ける人がいるかどうか要チェックです!
もし身の周りにピアノを頼める人がいないなら、近くの地域で活動しているピアニストに依頼しましょう。

メンデルスゾーン/「歌の翼」による幻想曲

曲名「歌の翼」による幻想曲
Fantasie”On Wings of Song”
作曲者(読み方)H.シュテックメスト
作曲者(原語)H.Steckmest
演奏時間の目安4分

元々はメンデルスゾーンが作曲した「歌」のための曲で、それをシュテックメストがフルート用に編曲しました。

ト長調の明るく美しいメロディーが魅力です。
変奏曲と呼ぶには短いですが、前半で基本のテーマが演奏され、後半はテーマをもとにした変奏になっています。

細かい音符もありますが、指はさほど難しくありません。
フルートがよく響く音域で書かれているのでフルートの良い面が出やすく、気持ちよく演奏できる曲です。

バッハ/管弦楽組曲 第2番 ロ短調よりポロネーズ、バディネリ

曲名管弦楽組曲 第2番 ロ短調よりポロネーズ、バディネリ
Orchestral Suite No.2 Polonaise,Badinerie
作品番号BWV1067
作曲者(読み方)J.S.バッハ
作曲者(原語)J.S.Bach
演奏時間の目安ポロネーズ:3分20秒
メヌエット:1分30秒
バディネリ:1分25秒

全7曲からなる「管弦楽組曲 第2番」の5曲目ポロネーズと7曲目バディネリ。

  1. 序曲(Overture)
  2. ロンド
  3. サラバンド
  4. ブーレ
  5. ポロネーズ
  6. メヌエット
  7. バディネリ

名曲集にポロネーズとバディネリがセットで載っていることが多いので、その2曲を続けて演奏して「管弦楽組曲“より”」とすることがあります。
もし演奏時間に余裕があるならポロネーズ・メヌエット・バディネリの3曲を演奏するのもアリです。

ドップラー/ハンガリー田園幻想曲

曲名ハンガリー田園幻想曲
Fantaisie Pastorale Hongroise
作品番号Op.26
作曲者(読み方)フランツ・ドップラー
作曲者(原語)Franz Doppler
演奏時間の目安11分
・Molto Andante 4分30秒
・Andantino moderato, Poco meno 3分45秒
・Allegro 2分40秒

ハンガリー出身のドップラーが作曲した楽曲。
ハンガリーの音楽は民俗的な響きを持ち、日本民謡や演歌っぽさを薄っすらと感じます。

ドップラーは優れたフルート奏者でもあったので、フルートが吹きやすいように作曲されているのも人気のポイント。
楽譜を見ると「うわっ!黒ッ!」と思ってしまいますが吹いてみると意外とスラスラ吹けます。

Andantino moderatoに入る手前で「ハーモニクス」という特殊奏法が出てきます。

ノブロ/メロディ

曲名メロディ
Melody
作曲者(読み方)E.ノブロ
作曲者(原語)E.Noblot
演奏時間の目安5分

5分という短い演奏時間の中で、曲調やテンポが次々に移り変わるロマンチックな作品。
難しいテクニックはあまり出てきませんが、緩急ある曲なので表情豊かに演奏したい1曲です。

ドンジョン/ナイチンゲール

曲名ナイチンゲール
Rossigolet
作曲者(読み方)ドンジョン
作曲者(原語)J.Donjon
演奏時間の目安4分

フランスの管弦楽団でフルーティストとして活躍したドンジョンの作品。

ナイチンゲール(Rossigolet)とは鳥の種類です。
日本ではサヨナキドリやヨナキウグイス(夜鳴鶯)と呼ばれています。
名前のとおり、夕暮れや夜明け前に、よく通る美しい声で鳴く鳥です。

演奏時間4分と短い曲ですが、曲調は次々に移り変わり、エコーもあり、途中にカデンツァもありと見せ場が盛りだくさんです。

クンマー/「庭の千草」変奏曲

曲名「庭の千草」変奏曲
作品番号Op.157 No.6
作曲者(読み方)カスパー・クンマー
作曲者(原語)Kaspar KUMMER
演奏時間の目安5分15秒

原曲はアイルランドの民謡「夏の名残のバラ(The Last Rose of Summer)」ですが、日本では「庭の千草」というタイトルの唱歌として親しまれています。

この変奏曲は、イントロ・テーマ・4つの変奏と続きます。
同じテーマが雰囲気を変えて繰り返されるので、それぞれをどう表現するかがポイントです。

スイス民謡による変奏曲

曲名スイス民謡による変奏曲
作曲者(読み方)ブレプサン
作曲者(原語)BREPSANT
演奏時間の目安7分20秒

イントロ・主題に続いて4つの変奏が書かれています。

難易度は中上級、アルテ教則本2巻修了くらいでしょう。
それなりに指も口も忙しい曲ですが、音の並びがシンプルなので意外と吹きやすいです。

ムーケ/パンの笛

曲名パンの笛
La Flute de Pan
作品番号Op.15
作曲者(読み方)ジュール・ムーケ
作曲者(原語)Jules Mouquet
演奏時間の目安合計14分30秒
第1楽章:4分
第2楽章:5分30秒
第3楽章:5分

ギリシャ神話に出てくる牧神である“パン”をモチーフにした全3楽章からなる作品。
パンは葦笛を吹くことでも有名な牧神です。

  1. パンと羊飼いたち(Pan et les Bergers)
  2. パンと小鳥たち(Pan et les Oiseaux)
  3. パンと妖精たち(Pan et Les Nimphes)

全体的な難易度はアルテ2巻修了程度。中上級といったところです。

第1楽章はスケールの嵐。クロスフィンガリングが頻発します。
(クロスフィンガリングとは、高音ミとファのように押さえる指と離す指が逆転して、指がバタバタする運指のこと)

日頃からタファネル&ゴーベールの日課練習を頑張っていれば乗り越えられます。
なお第3楽章は半音階とダブルタンギングの嵐です。

ドニゼッティ/フルートソナタ

曲名フルートソナタ
作曲者(読み方)G.ドニゼッティ
作曲者(原語)G.Donizetti
演奏時間の目安6分30秒

19世紀に多くのオペラを作曲した、イタリア出身のドニゼッティ。
「ソナタ」というと大抵は全3楽章で構成されるのですが、この曲は一つの楽章で完結します。

  1. Largo(ハ短調)
  2. Allegro(ハ長調)

しっとりと哀愁ただようハ短調のメロディーから始まり、28小節目から明るく軽快な長調に移り変わります。

難易度は中級と中上級の間くらい。
アルテ2巻に取り組み中・ケーラーOp.33-1巻修了が目安です。

ドヴォルザーク/ソナチネOp.100

曲名ソナチネ ト長調
Sonatina G-dur
作品番号Op.100
作曲者(読み方)A.ドヴォルザーク
作曲者(原語)A.Dvorak
演奏時間の目安合計19分
第1楽章:4分30秒
第2楽章:4分40秒
第3楽章:3分
第4楽章:6分50秒

原曲はヴァイオリンのための作品。フルートで演奏されることもあります。
ジェームズ・ゴールウェイの演奏が有名です。

ドヴォルザークらしい民俗的なメロディーが印象的なソナチネです。
「ハンガリー田園幻想曲」がお好きな方は、このソナチネも気に入るのではないでしょうか?

元がヴァイオリンの曲なので、第4楽章の最後はダブルタンギングでトレモロ祭りです。
難易度は中上級。アルテ2巻修了程度が目安です


もっと難しい曲にチャレンジしてみたい方は「上級編」もご覧ください。

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