フルートでソロコンクールに出てみたい皆さん、選曲で悩んでいませんか?
この記事では、上級レベルのフルートソロ曲をまとめて紹介します。
- ハイレベルな楽曲にチャレンジしてみたい
- ソロコンでよく演奏される曲を知りたい
- 発表会の選曲で迷っている
この記事を読んで「こんなの難しすぎるよ~~!」と思ったら、以下の記事をご覧ください。
もう少しだけ易しい曲を解説しています。

ハイレベルなソロ曲に挑戦!
この記事で紹介するのは難曲ばかりです。
チャレンジするのは素晴らしいですが、この記事で紹介する曲でコンクールに臨むなら、レッスンで見てくれる先生がいたり、ある程度の音楽の経験値がないと厳しいと思います。
プーランク/フルートソナタ
曲名 | フルートソナタ Sonata pour Flute et Piano |
作曲者(読み方) | プーランク |
作曲者(原語) | F.Poulenc |
演奏時間の目安 | 合計12分 第1楽章:4分30秒 第2楽章:4分 第3楽章:3分40秒 |
- Allegro Mlinconico(ホ短調)
- Cantilena(変ロ短調)
- Presto giocoso(イ長調)
言わずと知れたフルートの名曲です。
プーランク(1899-1963)はフランス出身の作曲家。このソナタは1957年にランパルによって初演されました。
第1、第2楽章の物憂げで美しいメロディーと第3楽章の華やかな曲調の対比が印象的です。
ヒンデミット/フルートソナタ
曲名 | フルートソナタ Sonata for Flute and Piano |
作曲者(読み方) | P.ヒンデミット |
作曲者(原語) | P.Hindemith |
演奏時間の目安 | 13分 |
- 第1楽章:Heiter bewegt(活発に動いて)
- 第2楽章:Sehr langsam(非常に遅く)
- 第3楽章:Sehr lebhaft(非常に元気よく)
ヒンデミット(1895-1963)はドイツ出身の作曲家。
指揮者・ヴィオラ奏者としても活躍する他、オーケストラに使われる楽器を概ね演奏できる多才ぶりだったそうです。
難易度は中上級程度です。
細かいパッセージが続いたり特殊奏法が出てくるような曲ではなく、テクニック的にはそれほど高度ではありません。
ジュナン/ヴェニスの謝肉祭
曲名 | ヴェニスの謝肉祭 Carnaval de Venise |
作品番号 | Op.14 |
作曲者(読み方) | P.A.ジュナン |
作曲者(原語) | P.A.Genin |
演奏時間の目安 | 13分 |
作曲者のジュナンはフランス出身のフルート奏者。
1832年生まれで、ブラームスより1つ年上です。
この曲はナポリ民謡を元にしたフルートのための変奏曲です。
イントロ・主題に続き第1~第4変奏、そして緩やかなアンダンテを挟んで第5~第8変奏の構成です。
難易度は上級。
アルテ3巻修了・ケーラーOp.33-3巻修了・アンデルセンOp.63修了が難易度の目安です。
尾高尚忠/フルート協奏曲
曲名 | フルート協奏曲 |
作品番号 | Op.30b |
作曲者(読み方) | おたか ひさただ |
作曲者(原語) | 尾高尚忠 |
演奏時間の目安 | 合計15分50秒 第1楽章:5分 第2楽章:7分 第3楽章:3分50秒 |
- Allegro con spirito(イ長調)
- Lento(ニ短調)
- Molto Vivace(イ長調)
1948年から1951年にかけて作曲されたフルートのための協奏曲。
作曲・指揮・ピアノを学んだ尾高尚忠氏が晩年に書いた、代表作とも言える作品です。
日本の音階を使った楽曲で、オリエンタルな雰囲気が漂います。
難易度は上級です。
アルテ3巻・ケーラーOp.33-3巻・アンデルセンOp.63修了が難易度の目安です。
尾高尚忠「フルート協奏曲」はムラマツフルートが出版しています。
ムラマツから出版されている楽譜は取扱い店が少ないので、上記のリンクから購入するか、ムラマツフルートのWebショップから購入できます。
※オーケストラ用スコアも販売されているので【フルートとピアノ用】であることを確認して購入しましょう!
トゥルー/グラン・ソロ第13番
曲名 | グラン・ソロ第13番 Grand Solo No.13 |
作品番号 | Op.96 |
作曲者(読み方) | J.L.トゥルー |
作曲者(原語) | J.L.Tulou |
演奏時間の目安 | 合計10分25秒 第1楽章:6分20秒 第2楽章:1分45秒 第3楽章:2分20秒 |
作曲者のトゥルーは19世紀に活躍したフランス出身のフルート奏者。
全部で15曲の作品を残しましたが、近年でも最もよく演奏されるのが第13番です。
第1楽章の前奏がめちゃめちゃ長い件でも有名な曲です。笑
この曲はフルート名人のトゥルー氏が超絶技巧を見せつけるために書いた作品なので、高度なテクニックを必要とします。
プロコフィエフ/フルートソナタ ニ長調Op.94
曲名 | フルートソナタ ニ長調 |
作品番号 | Op.94 |
作曲者(読み方) | S.プロコフィエフ |
作曲者(原語) | S.Prokofiev |
演奏時間の目安 | 合計23分15秒 第1楽章:7分45秒 第2楽章:5分 第3楽章:3分40秒 第4楽章:6分50秒 |
- Andantino
- Allegro
- Andante
- Allegro con brio
ロシア出身の作曲家であるプロコフィエフの作品。
フルーティストのジェームズ・ゴールウェイと、ピアニストのマルタ・アルゲリッチによる演奏が有名です。
原曲はフルートソナタですが、その後ヴァイオリンで演奏するために編曲されたのでヴァイオリンで演奏されることも多い曲。
フルート用の楽譜ならIMC(インターナショナルミュージック)から出版されている「ランパル校訂版」がおすすめです。
輸入版は値段が高いので、お手頃価格の「全音版」を使うのもよいでしょう。
ライネッケ/フルート協奏曲 ニ長調
曲名 | フルート協奏曲 ニ長調 Flute Concert |
作品番号 | Op.283 |
作曲者(読み方) | C.H.ライネッケ |
作曲者(原語) | C.H.Reinecke |
演奏時間の目安 | 合計22分 第1楽章:9分 第2楽章:6分30秒 第3楽章:6分30秒 |
- Allegro molto moderato
- Lento e mesto
- Finale: Moderato
ライネッケはドイツ出身の作曲家。ピアニストや指揮者として活動していました。
ショパンやメンデルスゾーン、シューマンなどと同じ時代に活躍したロマン派です。
ライネッケ/フルートソナタ「ウンディーネ」(水の精)
曲名 | フルートソナタ ウンディーネ(水の精) Flute Sonata “Undine” |
作品番号 | Op.167 |
作曲者(読み方) | C.H.ライネッケ |
作曲者(原語) | C.H.Reinecke |
演奏時間の目安 | 合計21分25秒 第1楽章:10分 第2楽章:1分40秒 第3楽章:4分 第4楽章:5分45秒 |
- Allegro
- Intermezzo
- Andante tranquillo
- Allegro Molto
ライネッケはドイツ出身の作曲家。ピアニストや指揮者として活動していました。
ショパンやメンデルスゾーン、シューマンなどと同じ時代に活躍したロマン派です。
水の精“ウンディーネ”と騎士フンボルトの悲しい恋物語が題材になっています。
演奏の難易度は中上級。プーランクのソナタと同じくらいです。
テクニカルな部分は少ないですが、表現力が試される曲です。
ウンディーネの楽譜は楽天市場で調べた方が選択肢が多いです。上記の楽天市場ボタンから検索結果が見られます。
おすすめは緑色の表紙、シャーマー社のゴールウェイ校訂版です。
F.ドップラー/ヴァラキア地方の歌
曲名 | ヴァラキア地方の歌 Airs Valaques |
作品番号 | Op.10 |
作曲者(読み方) | F.ドップラー |
作曲者(原語) | F.Doppler |
演奏時間の目安 | 12分 |
ハンガリー田園幻想曲で有名なハンガリーの作曲家であるフランツ・ドップラーの作品。
ヴァラキア地方とは、現在のルーマニア南部にかつて存在したワラキア公国を指しています。
ワラキア公国は14世紀頃に建国し、1859年に隣国のモルドヴァ公国と合併してルーマニアになりました。
- アレグロ
- 主題
- 第1変奏
- 第2変奏
- アダージョ
5つの部分にわかれますが、続けて演奏されます。
日本人にとってはどこか馴染みのある、民族的な独特の雰囲気を持つ曲です。
シューベルト/「しぼめる花」による変奏曲
曲名 | 「しぼめる花」による変奏曲 Trockne Blumen, Introduktion und Variationen |
作品番号 | D802 |
作曲者(読み方) | F.シューベルト |
作曲者(原語) | F.Schubert |
演奏時間の目安 | 合計18分30秒 |
全20曲からなるシューベルトの歌曲「美しき水車小屋の娘」の第18曲を、フルートのためにシューベルト自身が編曲した作品。
テノール歌手であるフリッツ・ヴンダーリヒの録音が有名です。Youtubeでも聴けます。
美しき水車小屋の娘とは?
「主人公の青年が水車小屋の娘に恋をするも叶わず、悲しみのあまり命を絶ってしまう」
一言でまとめるとそういう悲しい物語です。
序奏に続いて主題、そして7つの変奏が演奏されます。
しんみりと暗い雰囲気で始まりますが、変奏では長調の美しいメロディーも現れます。
フルートの色々な一面が見せられる1曲です。
イベール/フルート協奏曲
曲名 | フルート協奏曲 |
作品番号 | なし |
作曲者(読み方) | J.イベール |
作曲者(原語) | J.Ibert |
演奏時間の目安 | 合計20分30秒 第1楽章:5分 第2楽章:7分30秒 第3楽章:8分 |
- Allegro
- Andante
- Allegro scherzando
イベール(1890-1962)はフランス出身の作曲家。近現代に分類される作曲家です。
イベールのコンチェルトは、数あるフルート協奏曲の中でも特に有名なレパートリー。
1934年にモルセル・モイーズによって初演されました。「イベコン」と呼ばれ親しまれています。
マルティヌー/ソナタ第1番(ファースト・ソナタ)
曲名 | ソナタ第1番 First Flute Sonata |
作品番号 | なし |
作曲者(読み方) | B. マルティヌー |
作曲者(原語) | B. Martinů |
演奏時間の目安 | 合計19分 第1楽章:7分 第2楽章:6分30秒 第3楽章:5分30秒 |
- Allegro Moderato
- Adagio
- Allegro poco moderato
マルティヌー(1890-1959)はチェコ出身の作曲家。
この曲はアメリカに渡って作曲活動をしていた1945年に作曲されました。
「ソナタ第1番」というタイトルですが、フルートソナタは1曲しか作曲されていません。
躍動感のある第1・3楽章と、陰のある抒情的な第2楽章からなる「急緩急」の構成です。
ユー/ファンタジー(幻想曲)
曲名 | ファンタジー(幻想曲) Fantaisie |
作品番号 | なし |
作曲者(読み方) | G.ユー |
作曲者(原語) | G.Hüe |
演奏時間の目安 | 8分 |
ジョルジュ・ユー(1858-1948)はフランス出身の作曲家。
オペラや歌曲、合唱曲を中心に作曲活動をしていました。
フルート界では有名なこの幻想曲は、1913年にパリ音楽院の課題曲としてフルートとピアノのために作曲されました。
その後、1923年にフルート独奏と管弦楽伴奏にアレンジされました。
出だしからカデンツァ風の印象的な始まりです。美しいメロディーもあり、個性的な部分もあり、最後は駆け抜けるように終わります。
サンカン/ソナチネ
曲名 | ソナチネ |
作品番号 | なし |
作曲者(読み方) | P.サンカン |
作曲者(原語) | P.Sancan |
演奏時間の目安 | 9分20秒 |
サンカン(1916-2008)はフランス出身のピアニスト兼作曲家。パリ音楽院ピアノ科の教授を務めていました。
このソナチネは1946年にパリ音楽院フルート科の課題曲として作曲されたようです。
ModeratoからAndante espressivoに移り、カデンツァを挟んでAnimeへと続きます。
神秘的な雰囲気がただよう1曲です。
デュティユー/ソナチネ
曲名 | ソナチネ |
作品番号 | なし |
作曲者(読み方) | H.デュティユー |
作曲者(原語) | H.Dutilleux |
演奏時間の目安 | 9分 |
- Allegretto
- Andante
- Anime
アンリ・デュティユー(1916-2013)はフランス出身の近現代の作曲家。
このソナチネは1943年、デュティユーが27歳の頃に作曲された初期の作品。
パリ音楽院フルート科の卒業課題曲として作曲されました。
現在でも、サンカンのソナチネと並びフルート奏者にとって重要なレパートリーとして親しまれています。
楽章ごとに分けて書かれてはいませんが、Allegretto-Andante-Animeの3部構成になっています。
フレンチ・コンポーザーズから選ぶ
「フレンチ・コンポーザーズ」という、フルート界では有名な曲集があります。
その中から選曲するのもおすすめです。
フレンチ・コンポーザーズとは?
パリ音楽院の卒業課題曲として書かれた楽曲をまとめた曲集。
どの曲も、曲の前半と後半で「緩・急」が分かれています。
- ビュッセル/プレリュードとスケルツォOp.35
- シャミナード/コンチェルティーノOp.107
- デュヴェルノワ/コンチェルティーノOp.45
- エネスコ/カンタービレとプレスト
- フォーレ/ファンタジーOp.79
- ガンヌ/アンダンテとスケルツォ
- ゴーベール/ファンタジー
- ゴーベール/ノクチュルヌとアレグロ・スケルツァンド
- ペリルー/バラード
- タファネル/アンダンテ・パストラルとスケルツェティーノ
パリ音楽院の卒業課題曲なので、全曲もちろん難しいです!
この曲集に収載されている曲は、どの曲もソロコンクールでよく演奏されます。課題曲に選ばれることも多いです。
ビュッセル/プレリュードとスケルツォOp.35
曲名 | プレリュードとスケルツォ Prelude et Scherzo |
作品番号 | Op.35 |
作曲者(読み方) | H.ビュッセル |
作曲者(原語) | H.Büsser |
演奏時間の目安 | 合計5分20秒 Modere:2分20秒 Tres vif:3分 |
アンリ・ビュッセル(1872-1973)はフランス出身の作曲家。ラフマニノフより1つ年上です。
静かなフルートソロから始まり、後半は爽やかで軽快なスケルツォです。
シャミナード/コンチェルティーノOp.107
曲名 | コンチェルティーノ Concertino |
作品番号 | Op.107 |
作曲者(読み方) | C.シャミナード |
作曲者(原語) | C.Chaminade |
演奏時間の目安 | 8分10秒 |
シャミナードはフランス出身の女性の作曲家。
コンチェルティーノとは、ソロとオーケストラのための短い協奏曲のことです。
フレンチ・コンポーザーズにはピアノ伴奏の楽譜が収載されています。
ニ長調の明るく伸びやかなメロディーが印象的な曲です。
曲の出だしが童謡の「ぞうさん」に似ていることから「ぞうさんのコンチェルティーノ」と呼ばれたりします。
デュヴェルノワ/コンチェルティーノOp.45
曲名 | コンチェルティーノ Concertino |
作品番号 | Op.45 |
作曲者(読み方) | A.デュヴェルノワ |
作曲者(原語) | A.Duvernoy |
演奏時間の目安 | 合計5分40秒 Andantino:2分40秒 Vif:3分 |
アルフォンス・デュベルノワ(1842-1907)はフランス出身のピアニストであり作曲家。
デュベルノワのコンチェルティーノは陰のある雰囲気の前半から、活発な後半へと移りかわります。
シャミナードのコンチェルティーノと比べるとキャッチーなメロディーが少ないので、美しい曲でありながらも覚えにくい曲かもしれません。
エネスコ/カンタービレとプレスト
曲名 | カンタービレとプレスト Cantabile et Presto |
作曲者(読み方) | G.エネスコ |
作曲者(原語) | George Enescu |
演奏時間の目安 | 合計5分30秒 Andante ma non troppo:3分 Presto:2分30秒 |
ジョルジュ・エネスコはルーマニア出身の音楽家。
作曲の他、指揮者やピアニストとしても活動し、優れたヴァイオリニストでもありました。
ゆったりと長閑なメロディーが印象的な前半から、後半は雰囲気がガラッと変わってテクニカルで華やかな曲想に移り変わります。
緩急のギャップが大きく、フレンチ・コンポーザーズの中でも人気の高い1曲。
フォーレ/ファンタジーOp.79
曲名 | ファンタジー Fantasie |
作品番号 | Op.79 |
作曲者(読み方) | G.フォーレ |
作曲者(原語) | G.Faure |
演奏時間の目安 | 合計4分45秒 Andantino:1分45秒 Allegro:3分 |
フォーレ(1845-1924)はフランス出身の作曲家であり、オルガン奏者。
1905年より15年間パリ音楽院の学長を務めるなど、教育者としても活動していました。
この曲はフレンチ・コンポーザーズの中でも非常に人気の高い1曲。
コンクールのみならずコンサートのレパートリーとしても人気のある楽曲です。
メランコリックな美しいメロディーの前半から、スピード感のある表情豊かな後半へと続きます。
ガンヌ/アンダンテとスケルツォ
曲名 | アンダンテとスケルツォ Andante et Scherzo |
作曲者(読み方) | L.ガンヌ |
作曲者(原語) | L.Ganne |
演奏時間の目安 | 合計6分45秒 Andante:4分15秒 Allegro:2分30秒 |
ルイ・ガンヌ(1862-1923)はフランス出身の劇場指揮者であり作曲家。
オペラを中心に作曲活動をしていました。
この曲も人気の高い1曲です。
後半のスケルツォは細かいパッセージが続くので、なかなかテクニカルです。
ゴーベール/ファンタジー
曲名 | ファンタジー Fantaisie |
作曲者(読み方) | F.ゴーベール |
作曲者(原語) | F.Gaubert |
演奏時間の目安 | 合計6分30秒 Moderato quasi Fantasia:3分45秒 Vif:2分45秒 |
フィリップ・ゴーベール(1879-1941)はフランス出身の作曲家。
指揮活動もしていた他、優れたフルート奏者でもあり、パリ音楽院フルート科の教授を務めました。
作曲については、自身もフルート奏者であることからフルートの楽曲を多く残しています。
有名な基礎練習「タファネルとゴーベールの日課大練習」の著者の一人でもあります。
ゴーベール/ノクターンとアレグロスケルツァンド
曲名 | ノクターンとアレグロスケルツァンド Nocturne et Allegro Scherzando |
作曲者(読み方) | F.ゴーベール |
作曲者(原語) | F.Gaubert |
演奏時間の目安 | 合計5分30秒 Nocturne:2分45秒 Allegro Scherzando:2分45秒 |
フィリップ・ゴーベール(1879-1941)はフランス出身の作曲家。
指揮活動もしていた他、優れたフルート奏者でもあり、パリ音楽院フルート科の教授を務めました。
フレンチ・コンポーザーズの中でも人気の高い楽曲です。
ゆったりとロマンチックな前半と、小気味よく軽やかな後半が対照的な1曲。
ペリルー/バラード
曲名 | バラード Ballade |
作曲者(読み方) | A.ペリルー |
作曲者(原語) | A.Perilhou |
演奏時間の目安 | 合計6分 |
アルベール・ペリルー(1846-1936)はフランス出身の作曲家。
ピアニストやオルガニストとしても活躍しており、作曲活動ではピアノ・オルガン・管弦楽・声楽のための作品を多く残しました。
この「バラード」はフルートまたはヴァイオリンのための作品として書かれました。
フレンチ・コンポーザーズの中ではめずらしく、ダブル・トリプルタンギングが出てきません。
流れるようなメロディーが特徴の1曲です。
「原典版」ではない
「原典版」とは?
作曲者が書いた譜面をできる限りそのまま再現したもの。作曲者の意図が最も反映されている楽譜と言えます。
「原典版」の表記が無い楽譜は、演奏しやすいようにスラーやブレスなどを書き加えたりしています。
第三者によって編纂されたものは校訂版などと呼ばれます。
「フレンチ・コンポーザーズ」の曲集はルイ・モイーズによって編纂されているので、原曲と異なる部分があります。
(ルイ・モイーズは、「ソノリテ」で有名なマルセル・モイーズの息子です)
プロや音大生は、作曲家自身の意図を忠実に再現した“原典版”にこだわって他の楽譜を使ったりしますが、そこまで専門性を追求しないのであれば、この曲集で十分です。
フレンチ・コンポーザーズに収載されている楽曲は、場面を問わずどの曲もよく演奏されています。
華やかでステージ映えする曲ばかりなので、ソロコンクールだけでなく、発表会やコンサートのレパートリーとしても最適です。
たった1冊でフルート奏者にとって重要なレパートリーを網羅できる、大変便利な1冊です。