趣味や部活動でフルートを練習する時、こんな事で迷いませんか?
- 色々と練習したいけど何をすればいいかわからない
- 周りの人たちはどんな練習をしているの?
- 基礎練習の楽譜が欲しいけど、どれを買えばいいかわからない
この記事では、フルートの上達にかかせない基礎練習のための楽譜をご紹介します。
- 大体どんな内容か
- 難易度の目安
- 似ている楽譜と間違えないための注意
一つひとつを詳しく説明するので、ぜひ参考になさってください!
音作りのための楽譜2選
まずは「音作り」に焦点を当てた楽譜を紹介します。
ロングトーン・音程・呼吸の使い方が学べる2冊です。
M.モイーズ/ソノリテについて

タイトル | ソノリテについて |
原語タイトル | DE LA SONORITE-ART ET TECHNIQUE,FRANCAIS |
著者 | マルセル・モイーズ(Marcel Moyse) |
日本語訳 | 吉田雅夫 |
難易度 | 初級~上級 |
吹奏楽部の学生から本格的に学ぶ人まで、すべてのフルート奏者が愛用する「ソノリテ」です。
この本を持っていないフルーティストなんて存在しないのでは?という程に定番の本。
はじめの課題は、中音Hの音からスタートして半音ずつ移り変わっていくロングトーンから始まります。
シンプルな内容ですが、きっちり全部こなすにはかなりの体力と時間を使います。
この本は、じっくりと音作りをしていくための本です。指を速く動かす練習などは収載されていません。
おすすめ出版社/ルデュック社ライセンス版
「ソノリテ」はルデュック社というフランスの出版社から発売されています。
そして、ヤマハから「ルデュック社のライセンス版」が販売されています。
ライセンス版とは?
国内の出版社が、海外の出版物のデータを買い取って同じ内容の製品を製造・販売したものです。
ライセンス版は内容が同じで価格が少し安いことがメリットです。
海外の出版物は入荷までに時間がかかること・仕入れ時期によって価格が変動することがネックですが、国内で製造されているライセンス版であれば同じ内容の楽譜が手に入りやすく価格も安定します。
特にこだわりが無いのであればライセンス版の購入をおすすめします。
ヤマハが販売しているライセンス版はこちら
購入時の注意(ライセンス版じゃない方を買う場合)
ルデュック版のソノリテは日本語版とフランス語版があります。
ちなみに日本語版とフランス語版は、同じデザインの表紙です。
日本語版とフランス語版の見分け方は、表紙のタイトルが日本語かどうかです。
特に理由が無ければ日本語版を選ぶと良いでしょう。
フィリップ・ベルノルド/アンブシュアの技術

タイトル | アンブシュアの技術 |
原語タイトル | La Technique d’embouchure |
著者 | フィリップ・ベルノルド(ベルノーとも読みます) |
出版 | Billaudot(読み方:ビヨドー) |
難易度 | 中級~上級 |
「アンブシュアの技術/全ての難題を克服し、美しい音色を獲得する218の課題」というサブタイトルが付いている通り、83ページに渡り218個の課題が収載されています。
指は易しいです。簡単なフレーズで息の使い方やコントロールを学べる一冊。
ウォーミングアップにもおすすめです。
ソノリテは時間と体力を削られるので、こちらの「アンブシュアのテクニック」を生徒に勧める先生も見受けられます。
指の練習・テクニック向上のための楽譜3選
- 全調のスケール(音階・半音階)
- 指の練習(フィンガリング)
- タンギング(シングル・ダブル・トリプル)
- アーティキュレーション(スラ―やスタッカート)
- トリル・装飾音符
これらを反復練習したい方におすすめの練習用楽譜を3つ紹介します。
タファネル&ゴーベール/17のメカニズム日課大練習

タイトル | 17のメカニズム日課大練習 |
原語タイトル | 17 Grands Exercises Journaliers de Mécanisme |
著者 | (1)ポール・タファネル (2)フィリップ・ゴーベール |
難易度 | 初級~中級 |
ソノリテに並び、世界で最も有名な基礎練習の楽譜です。
フルーティストであったタファネルが残した楽譜を、後に弟子のゴーベールが仕上げて出版したので連名で出版されています。
このタファネル&ゴーベールの練習には「基本」が詰まっています。
初心者から中級向けのシンプルな内容ですが、本の後半にある全調のアルペジオ練習あたりは、フラット・シャープが山盛りです。すべての課題をサラリとこなせるようになるには日々の積み重ねが必要でしょう。

この本は、ソノリテとは対照的に指をよく動かす基礎練習です。
全体的にこのサンプルのような反復練習が続きます。
全調のスケールとアルペジオを、アーティキュレーション(スラ―やスタッカート)を変えながら繰り返してテクニックの向上を目指します。
指定のテンポよりゆっくり取り組めば、指だけでなく音作りにも役立てられる便利な一冊です。
おすすめ楽譜(1)/ルデュック版
プロや音大生がよく使っているのはフランスで出版されている横型の楽譜です。
この楽譜をちぎれるまで使い倒しているのをよく見かけます。
ルデュック社はフランスの出版社ですが、ヤマハが同じ内容の「ライセンス版」を販売しています。
ライセンス版とは?
国内の出版社が、海外の出版物のデータを買い取って同じ内容の製品を製造・販売したものです。
ライセンス版は内容が同じで価格が少し安いことがメリットです。
ライセンス版(日本語訳付き)はこちら

おすすめ楽譜(2)/音楽之友社
安くて使いやすいのは断然こちらです!
横型のルデュック版と楽譜の内容は同じですが、縦型で見やすくレイアウトされています。
全調のスケールやアルペジオは1つの課題が6ページに渡るのですが、この音楽之友社版では、譜めくりの手間を省けるように見開き3ページのレイアウトになっています。譜めくりを心配せず練習に集中できて便利です。
M.A.ライヒェルト/7つの日課練習 作品5

タイトル | 7つの日課練習曲 作品5 |
原語タイトル | 7 Daily Exercise for Flute Op.5 |
著者 | M.A.ライヒェルト(Reichert,M.A. ) |
難易度 | 中級~上級 |
この本は、タファネル&ゴーベールと並んで指回りをよくする練習ができる本です。

一番はじめの課題はこんな感じです。
クリックで拡大できます。
(サンプル画像はカール・フィッシャー版の楽譜です)
No.1はスケールと3度のアルペジオですが、No.3以降は段々複雑になっていきます。見慣れてしまえばただの繰り返しですが、慣れるまでは楽譜をにらみつけながら練習することになるかと思います。
中級~上級者のために書かれており、内容はやや複雑です。
タファネル&ゴーベールでは単純すぎる!という方にはおすすめです。
この練習はプロや音大生も使用している定番の基礎練習で、特に課題No.1(サンプル画像のページ)はウォーミングアップによく使われています。また、レッスンで中級以上の生徒にこの本をすすめる先生も多いです。
おすすめ楽譜(1)/カール・フィッシャー版
楽器店での売れ筋は「カール・フィッシャー版」です。
お値段も手ごろで、すっきりしたレイアウトなので音符が読みやすいです。
(誤植と思われる箇所がいくつかあるので注意が必要です)
リーズナブルな楽譜
おすすめ楽譜(2)/ルデュック版
プロや音大生がよく使っているのは「ルデュック版」です。
お値段はやや高めですが、本格的にフルートを学ばれている方々はルデュック版をお持ちの方が多いです。
本格派はこちら
ポール・エドモント=デイヴィス/28日間ウォームアップ

タイトル | 28日間ウォームアップ |
著者 | ポール・エドモント=デイヴィス |
日本語訳 | 渡辺玲子 |
出版 | 企画ヴィーヴォ |
価格 | 4250円(税別) |
難易度 | 中級~上級 |
2016年に出版されて以来、何度も重版されている基礎トレーニングの楽譜です。
原文は英語ですが、日本語訳付きで販売されています。
著者のポール・エドモント=デイヴィス氏は、ロンドン交響楽団で20年間首席フルート奏者を務めたフルーティストです。スターウォーズやハリーポッターなど、映画作品のサウンドトラックにも参加しています。
全150ページ、4つの領域(音の響き、フィンガリング、タンギング、インターバル)を網羅。
言語と絡めた「タンギング」の章の解説は、日本語を母国語とする方のために解説が加えられているそうです。
今でもSNSやYoutubeでプロ奏者やハイアマチュアの方を中心に「28日間やってみた」が話題になります。
どうやらなかなか難しいトレーニングのようです。気になる方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
こちらから購入できます
音階やリズム練習じゃなくて、曲で練習したい!という方のためにフルートの練習曲集をまとめた記事も用意しました。
どれを買ったらいいの?と迷ったらぜひ参考になさってください。