たとえ入門用の楽器であっても、フルートは高価なもの。
「使わずにしまいこむくらいなら売ってしまいたい」と考える方は多いのではないでしょうか?
- 新しい楽器を買ったら古い方を全然使わなくなった
- 進学や引っ越しを機に演奏しなくなった
- 楽器を何本も持っているから少し整理したい
どうせ売るなら高く買い取ってほしいですよね。
色々な理由で楽器を手放そうとしている方向けに、中古楽器の買取り方法や、査定額アップにつながるメンテナンスについてお伝えします。

\ この記事を書いた人 /
名前:Satsuki
経歴:リペアマンとして楽器店に10年勤務。今はフリーランスで管楽器修理をしています。
管楽器を中古で売るには「下取・買取・委託販売」の3種類があります。
中古楽器の売却方法について詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。
中古楽器の価値は〇〇で決まる
中古楽器の価格を決めるポイントは色々あります。
- 製造時期
- 買い手が見つかりやすいか
- 楽器の状態
- 付属品がそろっているか
製造時期は新しい方が高値が付きやすいです。
単純に、新しい楽器の方が使用期間が短く状態が良いという理由です。
たとえ丁寧に扱っていても、使っている時間が長いほど楽器はすり減っていきます。
柔らかいクロスで拭いても磨きキズがつきますし、キイをたくさん動かせばキイの両端が摩耗します。
そして、フルートは同じように見えても、実はマイナーチェンジを繰り返して常にバージョンアップしているので、新品に近い仕様の方が買い手がつきやすい一面もあります。
質が良くても売れない楽器
買取業者にとって「買い取った楽器が売れるかどうか」は非常に重要なポイント。
たとえハンドメイドの素晴らしい楽器であっても、知名度が低いメーカーだと「売りにくい」という理由で買取を断られる場合もあります。

マイナーだけど質の良いハンドメイドモデルは、価値のわかる管楽器専門店に売ることをおすすめします。
マニアックな楽器を求めて買いに来るお客さんがいるからです。
付属品も大切
楽器の状態の良し悪しは査定額に直結しますが、ケースの状態も金額を左右します。
ニオイや汚れ、ステッカーなどはマイナス要素になってしまうので、可能な限りクリーニングしてから査定に出しましょう。
購入時に付属するクリーニングロッドやケースカバーなどの付属品が綺麗な状態だと、査定額アップにつながります。
フルートは吹かなくても傷む
フルートは吹かずにしまっておくだけでも劣化します。
タンポやフェルトといった消耗品は吸湿と乾燥を繰り返してだんだん傷んでいきますし、ケースを閉めたまま長期間保管すると錆が出たり変色したりします。
また、湿気の多い場所でケースを閉めたまま保管しているとカビが生えます。
長期間保管する時は、ぜひ風通しの良い場所で保管しましょう。
タンポ虫って呼ぶんだけど…
服を虫に食われることってありますよね?
あの虫が楽器ケースに入りこむとタンポが食べられて使えなくなってしまいます。



楽器修理の仕事をしていると結構見かけるんです、食べられたタンポ。
査定額アップ!自分でお手入れしよう
中古で買い取った楽器は、クリーニングや消耗品交換などのメンテナンスをして次の持ち主の手に渡ります。
楽器についた汚れやケースの掃除をしておくと査定額アップにつながるので、少しでも高く売れるように自分でお手入れしましょう!
フルート本体のクリーニング
- 楽器用クロス(なければマイクロファイバーふきん)
- ガーゼ&クリーニングロッド
- 綿棒
- チークブラシ(習字の筆でもOK)
- 消毒用エタノール




写真のチークブラシは100均で買いました。
キイの下に溜まった埃を払うのに使うので、チークブラシでなくても習字用の筆など毛質の柔らかい筆なら何でもOKです。
楽器用クロスを持っていなければ、100均でも売っているマイクロファイバーふきんを使うと良いです。
洗車コーナーやキッチン掃除コーナーに売っています。
(普通のタオルは糸がループになっていて、バネに引っかかるのでおすすめしません)
ガーゼは演奏後のお手入れに使っているもので大丈夫です。
持っていない方は100均で買えます。長さ1m程度のものが最適です。
消毒用エタノールはスプレーボトルに入れ替えると使いやすいですよ。
キイの下に溜まった埃や砂をブラシで優しく払います。
もし、キイの下に溜まった汚れがキイオイルなどを含んでベタベタしているようであれば、それはブラシでは取り除けません。
かと言って綿棒でゴシゴシ擦って取ろうとするとキズになってしまうので無理しないでくださいね。
簡単に取り除けない汚れは諦めよう!リペアマン的にもその方が助かります!
管体やキイの表面についた手垢汚れを落とします。
楽器用クロスを濡らして、よーく絞って、汚れの気になる部分を水拭きします。
手垢は水溶性の汚れなので、水拭きが効果的です。
クロスをお湯で湿らせると汚れ落ちが良くなります。
温度と湿らせ具合は「飲食店で出てくる温かいおしぼり」をイメージしてください。
リッププレートの汚れも同じく水溶性なので、水拭きでキレイにします。
唄口の内側にたまった汚れは、ぬるま湯で湿らせた綿棒で拭うと汚れが落ちます。
冷たい水だと落ちにくいので、お風呂くらいの温度のお湯をコップにためて綿棒を浸すと良いでしょう。
クリーニングロッドにガーゼを巻きつけて管の内側を拭きます。
ニオイや汚れが気になるようであれば、巻きつけたガーゼに消毒用エタノールをスプレーしてください。エタノールはガーゼが少し湿るくらいで十分です。
正直、磨かなくてもいい


銀磨きクロスやシルバーポリッシュで磨けるところは磨いておくとツヤが出て綺麗になります。
しかし正直なところ、磨きは無理にしなくても大丈夫です。
胴部管と足部管はキイが付いていて部分的にしか磨けません。
細かい部分まで頑張って磨いてくれるその気持ちは大変ありがたいのですが、シルバーポリッシュがタンポやフェルトに付いて逆に汚れてしまうので、もし磨くのなら簡単に磨ける部分だけでOKです。
白っぽく曇っている部分や、薄い黒ずみや黄ばみはポリッシュで簡単に落とせるのですが、完熟バナナのように真っ黒に変色していまった部分は落としきれないので、そのままにしてください。
あまりゴシゴシ擦ると逆に磨いた後が残ってしまったり、表面のメッキがはがれたりするので気を付けましょう。
もし磨くならヤマハのポリッシュ
もしフルートを磨くなら、一番おすすめはヤマハのシルバーポリッシュです。
他にも銀製品用の研磨剤は売っているのですが、やはりフルートに丁度いいのはヤマハです。
ピカールも有名ですが、フルートには強すぎます。
メッキが剥がれたり表面を傷める可能性があるのでおすすめできません。
ケースのクリーニング
ケースの内側に溜まったゴミを掃除機やガムテープで掃除します。
においが気になる場合は、ケースを開けたまま風通しの良い場所にしばらく置いておきましょう。
それでもまだ気になる場合は衣類用の消臭スプレー(リセッシュとか)をして乾かします。
付属品を揃える
購入時に付属していたケースカバー、クリーニングロッド、説明書などがキレイな状態で揃っていると査定額アップにつながります。
どこの楽器屋でも買取ってくれるわけではない
「いつもの楽器屋さんに売りたい」その気持ちはすごくよくわかりますが、中古楽器を取り扱う楽器店は限られています。
中古楽器の売買をするには古物商の許可が必要です。
古物商の許可を持たないお店では、中古品の売買をしたくてもできません。
もし近くの楽器店に売りたいのであれば中古品の売買が可能かどうか確認しましょう。



中古楽器を取り扱う楽器店が近くに無いなら、下記の買取業者がおすすめです。
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